魚の廃棄物と海藻から作られたエコなプラスチックバッグ「MarinaTex」

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MarinaTex 実際のバック

サセックス大学のルーシー・ヒューガス氏が開発した、約1ヶ月で生分解するプラスチックバッグが、掃除機でおなじみのダイソン社が主催する「THE JAMES DYSON AWARD」で国際最優秀賞を獲得し、そのアイデアが世界中で話題となっています。

海洋プラスチック問題

Image:海洋プラスチック問題について |WWFジャパン

ウミガメや魚が間違えてプラスチックを食べてしまったり、
クジラの胃から大量のプラスチックが出てきたり、といったニュースを
一度でも目にしたこたは無いでしょうか?

WWFでは毎年、世界中で海に存在するプラスチックゴミはすでに1億5000万トン存在し、さらに毎年800万トンのプラスチックゴミが新しく海に流れていると想定しています。

ウミガメやウミドリはプラスチックの誤飲率が高く、この影響で命を落とす動物は700種類にも登るとのこと。

さらにこの海洋プラスチック、
約8割がアジアを中心に排出されており、特に食品や飲料に使われる使い捨て容器が多いそうです。

Source:海洋プラスチック問題について |WWFジャパン

2050年問題

このまま海へのプラスチックの流入が続いた時、2050年にはプラスチックゴミの量が魚の量を上回る計算になるそうです。
さらに厄介なことに、紫外線や海流によってプラスチックは直径5cm以下のマイクロプラスチックに変化します。
これは魚やウミガメなどがちょうど小魚と間違えて食べてしまう大きさです。

マイクロプラスチックを魚が誤飲し、その魚が私たちの食卓に並ぶ。
その結果、間接的に私たちもプラスチックを食べてしまうことになり、水銀と同じように健康被害が発生することも示唆されています。

このビニール袋の仕組み

サセックス大学のルーシー・ヒューガス氏のアイデアは、海洋プラスチック問題に効果的な解決手法の一つとして注目を集めています。

廃棄される魚の鱗と皮・海藻を利用したビニール袋

魚の加工時に出る廃棄物のウロコと皮、それに加え海藻を材料として合わせて作られた透明な梱包材。
通常のビニール袋(LDPE)よりも張力耐性が強く、透明度も高いとのこと。

さらに最大の特徴として、この素材は分解されるまでの速度にあります。
海にある浮かぶプラスチックなどは自然分解されるまでに1〜20年かかると言われています。
魚の鱗と皮、海藻から作られたこの素材は4週間〜6週間で完全に生分解され、海に流れ着く前に完全に分解されたり、たとえ海に流れ着いても短期間で分解されるので、生き物が誤飲してしまうリスクを低減することができます。

製造もエコ

製造に必要なエネルギーは少なく、製造渦中に必要な温度は100℃以下。
工程も簡単なことから、低コスト・省エネでの製造が可能になっています。

利用するのは魚の廃棄部分でもあるため、リサイクルにもつながり、
多方での相乗効果が期待できます。

ちなみに、1匹(12kg)のタイセイヨウダラで約477枚のバッグが作成可能です。
(90%を食用として使用しても、残りの10%で約47枚のバッグを使用できる計算です。)

短期間で使い回す食品梱包などに向いている。

4〜6週間で生分解される特性上、長期の保存には向いていませんが、
おにぎりやパンといった、短期間しか持たない食品の梱包材に適しています。

リサイクル不要、廃棄の心配もない

生分解されるのでリサイクルや廃棄のコストが大幅に減ります。

今後の取り組み

サセックス大学ルーシー・ヒューズ氏は1年以内の製品化を目指して、このアイデアをさらに発展させたいとのこと。

魚と海藻から作られたプラスチックバッグ「MarinaTex」しかしながら、プラスチック問題の根本的な解決には、彼女のアイデアだけでは不可能で、
マイバッグを所持したり、水筒を持ち歩いたり、といった私たちの意識と行動を変えることが何より大切です。

Source:https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/2019/project/marinatex/

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